北海道のヒグマは増えすぎ?生息数の推移と駆除の是非

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北海道のヒグマは増えすぎ?生息数の推移と駆除の是非 ニュース

近年、ヒグマの目撃件数が増えているようで、ニュースでも度々出るようになりました。

札幌の街でもよく出没し、札幌市の公式LINEでは毎日のように出没情報が出されていました

次第にニュースにならなくなるほど、毎日出ていた時期もあります。

このような状況ですから、あらためてヒグマについて調べてみました。

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ヒグマとは?

ヒグマは、日本最大の肉食獣であり、日本で唯一北海道に生息しています。

彼らはその大きな体と強い力で知られ、日本の自然界における重要な役割を担っています。

しかし、その一方で、人間との共存に関する課題も抱えています。

ヒグマの主な生息地について

ヒグマの主な生息地は、北海道の広大な森林地帯です。

ヒグマは、主に低山地帯の落葉広葉樹林や針葉樹と広葉樹が混ざった森林に住んでいます。

この地域に生える落葉広葉樹や草本植物が、ヒグマにとって大切な食べ物です。

これらの植物が豊富な場所がヒグマにとって理想的な住処です。

ヒグマの生活範囲は、地域や個体によって大きく異なります。

また、食べ物の多い少ないによっても変わります。

一般的に、オスのヒグマは広い範囲を動き回ります

その生活圏は数十平方キロメートルから500平方キロメートルに及ぶことがあります。

一方、メスのヒグマはもう少し狭い範囲、数平方キロメートルから数十平方キロメートル程度で生活しています。

面白いことに、ヒグマは特定の縄張りを持たず、他の個体とも生活圏が重なっています。

ヒグマの基本情報

ヒグマについての基本情報です。

体格と能力

体重: オスは150〜400kg、メスは60〜150kgに達する。

 これは日本に生息する陸上動物の中で最大級です。

速度: この大きな体で時速50kmまで速く走ることが可能です。

外見の特徴

毛色: 一般的に黒褐色から茶褐色。一部の個体は前胸に白い斑点があります。

生活環境と行動

生息環境: 主に北海道の落葉広葉樹林や針広混交林に住んでいます。

行動特性: 人前を避ける傾向があり、基本的には単独行動をします。

 固有の縄張りを持たず、他のヒグマと生活圏が重なることがあります。

食事の習慣

食性: 主に植物を食べる雑食性ですが、肉も食べます。

  • : 新芽やドングリ、エゾシカの死骸など。
  • 初夏: 草本類が中心。
  • : 草本と果実、アリなど。
  • : さまざまな果実を食べ、高地では特定の果実も。

寿命と繁殖

寿命: 野生ではメスが最長34歳まで生きたことが確認されています。

 オスよりも寿命が長い傾向があります。

繁殖: メスは4歳から出産可能ですが、若いメスの初産は成功率が低いことが知られています。

冬眠: ヒグマは季節によって行動パターンが変わり、冬には長い眠りにつくことで知られています。

 この冬眠期間中は、彼らは食事をとらず、蓄えた脂肪をエネルギー源として過ごします。

ヒグマの被害

ヒグマによる被害は、北海道の歴史において深刻な問題として記録されています。

特に、人間の生活圏に近い地域でのヒグマの出没が増加していることが、

最近の被害の増加につながっています。

ヒグマの被害の歴史

ヒグマによる被害の歴史は古く、数多くの獣害事件が記録されています。

以下は、過去に起きた主なヒグマによる獣害事件のいくつかです。

福岡大ワンゲル部・ヒグマ襲撃事件

登山中の学生グループの5人が三日三晩ヒグマに追われ続けて、うち3名が死亡しました。

ヒグマの執着心の強さと、被害者のリアルな心境が伝わるメモが残されています。

三毛別ヒグマ事件

1915年に発生したこの事件では、ヒグマが集落を襲い、7名が死亡し、3名が重傷を負いました。

獲物を取り返しに来るというクマの習性から、何度も襲われるという非常に恐ろしい事件でした。

石狩沼田幌新事件

この事件では、ヒグマが猟師たちを襲い、犠牲者を出しました。

4名が死亡し、3名が重傷を負いました。

これらの事件は、ヒグマの被害がいかに恐ろしいかを物語っています。

最近のヒグマの被害

最近は、ヒグマが森林地帯と街の境界線付近で、頻繁に目撃されるようになりました。

ヒグマの被害は、森林地帯だけでなく、町中でもおこっています。

札幌でも街の中で人がクマに襲われることがありました。

住宅地に近い地域でのヒグマの出没は、地域住民にとって大きな脅威となっています。

ヒグマの習性と対策

ヒグマとの遭遇は、北海道などでのアウトドア活動中に予期せず起こり得る事態です。

近年では街の中でもヒグマに遭遇する可能性があります。

ヒグマとの安全な共存を目指すためには、その習性を理解し、適切な対策を講じることが重要です。

ヒグマ出没地域へ行く時の安全対策

ヒグマ出没地域へ行く際には、以下の安全対策を心掛けましょう。

事前の情報収集

 出かける前に、その地域のヒグマ出没情報を確認しましょう。

適切な装備

 熊鈴やクマ撃退スプレーを携帯し、ヒグマとの遭遇に備えましょう。

グループでの行動

 単独での行動は避け、できるだけ複数人で行動しましょう。

騒がしく行動する

 ヒグマは人間の声や音に敏感です。

 大声を出したり、熊鈴を鳴らすことで、ヒグマに自分たちの存在を知らせましょう。

街に出てくるヒグマへの対策

街に出没するヒグマへの対策は、地域コミュニティの安全を確保するために非常に重要です。

ごみのマナーを守る

 札幌市南区でやせたクマが出没し、そのフンからはごみ袋の一部が見つかりました。

 食べ物のごみは、クマに人間の食べ物の味を覚えさせる原因になります。

食べ物がクマの手が届かないようにする

 2018年夏、島牧村で毎晩のようにクマが現れ、生ごみや漁に使うエサの被害が相次ぎました。

 食べ物を外に置かないことが基本ですが、漁業の町では魚を外で干す必要があります。

 知床では、クマの手の届かない高さに食べ物を干す工夫がされています。

 こいのぼりのポールや物干し竿などを利用しています。

草刈りをする

 クマは背の高い草や茂みを好んで移動するため、草刈りによって

 クマの通り道を遮ることが有効です。

 みどり豊かな地域では、草刈りによってクマが住宅地に迷い込むのを防ぐことができます。

電気柵の設置

 2019年夏、札幌市南区でクマが庭のりんごやトウモロコシを食べる被害がありました。

 電気柵を使って、クマが作物に近づけないようにすることが効果的です。

 正しく設置された電気柵は非常に効果的ですが、誤った使い方をすると

クマが通り抜けてしまうことがあります。

放棄果樹の撤去

 2019年夏、札幌市南区でクマ出没が発生し、放棄された果樹が原因の一つとなりました。

 放棄された果樹を撤去するボランティア活動が行われています。

 これらの果樹はクマを引き寄せる原因となるため、撤去することで

 クマの出没を減らすことができます。

 

ポイ捨てをしない、ごみ捨ての時間を守るなど、基本的なマナーを守ることもクマ対策の一歩です。

これらの対策を通じて、ヒグマとの安全な共存を目指し、地域社会の安全を守ることができます。

ヒグマの習性を理解し、適切な対応を行いましょう。

ヒグマ駆除の現状と課題

ヒグマによる被害を減らすために、「ヒグマの駆除」が行われています。

「ヒグマの駆除」について解説します。

北海道におけるヒグマ駆除の歴史

北海道では、ヒグマによる被害が長年にわたって問題となっています。

以前は、ヒグマによる被害を減らすために、「春グマ駆除」が行われていました。

「春グマ駆除」とは、北海道でヒグマの個体数管理のために実施された制度です。

具体的には、春季、特に雪解けの時期に冬眠中や冬眠明けのヒグマを狙って駆除することで、

人身事故などの被害を未然に防ぐ目的がありました。

この制度は1966年から始まり、1990年まで行われていました。

しかし、この期間中にヒグマの個体数が減少しすぎたため、1990年に廃止されました。

現在のヒグマの駆除方法とその効果

最近注目されたのが、多数の牛を襲った「OSO18」と呼ばれるヒグマの存在です。

このヒグマは、過去4年間で66頭の牛を襲い、そのうち32頭が死亡するという

深刻な被害を引き起こしました。

最終的には、2023年7月に釧路町で駆除され、DNA鑑定によってOSO18と特定されました​​。

現在、ヒグマの駆除には、様々な方法が試みられています。

OSO18の場合、わなの設置や監視カメラを利用した方法が取られましたが、

このヒグマは警戒心が強く、なかなか捕獲が難しい状況でした。

夜間の襲撃や人間の仕掛けに対する学習能力の高さが、捕獲を困難にしていました​​。

また、2023年から道庁は年ぶりに「春グマ駆除」を再開しました。

ヒグマの駆除の是非

ヒグマの個体数は過去30年で倍増し、2023年の時点で約1万1700頭と推定されています。

この増加に伴い、北海道の鈴木知事は、ヒグマの保護重視から

積極的な駆除への方針転換を示しています。

これには、クマによる被害の増加や目撃情報の多発が背景にあります。

また、国からの捕獲費用の補助やハンターへの支援制度の創設、春期管理捕獲の拡大など、

具体的な対策も講じられています​​。

このように、ヒグマ駆除の現状は、被害の拡大と個体数増加の中で、

保護から駆除への方針転換が進んでいます。

ヒグマと人間の共存に向けた取り組みは、今後も重要な課題となるでしょう。

最近では、ヒグマ駆除に対する反対意見も多く見られます。

ヒグマ駆除に反対する意見

生物多様性の維持

 クマは生態系において重要な役割を担っており、

その駆除は生物多様性のバランスを崩す恐れがある。

動物の権利

 動物愛護の立場から、クマのような野生動物は自然の中で生きる権利がある。

 そもそも動物たちの住む場所を奪ったのは人間だ。

根本的な解決にならない

 駆除は一時的な対策であり、クマと人間の共存を目指す長期的な解決策にはならない。

ヒグマ駆除を肯定する意見

人間の安全

 クマの個体数が増加することで、人間の住む地域への侵入や被害が増え、

 人間の安全が脅かされることが問題視される。

被害の軽減

 特に農業被害や人身事故を減らすためには、個体数のコントロールが必要とされる。

共存のための管理

 駆除は野生動物と人間の共存を実現するための一環であり、

 完全な排除ではなく、適切な個体数の維持を目指している。

まとめ

近年、町の中でヒグマが見られることが多くなっています。

これは、ヒグマの数が増えているからです。

今、北海道には約1万1700頭のヒグマがいて、これは30年前のおよそ2倍です。

そのため、政府はヒグマを保護するだけでなく、適切に駆除して、減らすことも考えています。

しかし、ヒグマを減らすことには賛否様々な意見があります。

ヒグマ駆除に反対する人たちは、ヒグマも生きる権利があると言っています。

ヒグマ駆除に賛成する人たちは、人の安全と畑の作物を守るためには、

ヒグマを適切に管理する必要があると言っています。

北海道では、ヒグマとどうやってうまく暮らしていくかが大切な問題になっています。

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